후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆめはよびかわす
夢は呼び交す
蒲原 有明
蒲原 有明의 夢は呼び交す(ゆめはよびかわす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,126자 · 210화면
ささやかな菜園にわずかに萌え出た小松菜を摘んで朝々の味噌汁の仕度をする。そんな生活の様子がまざまざと思い出される。菜園にはまだ雪が消え残っていたのである。
その翌十六年には、父が生母を離別した。鶴見がためには大きな生涯の変動が生じたのである。たまたま国から上って来た姉も貰い泣きをした。母の引き取られていた家へ二人で行くことを、さすがに厳しい父も、一度は許してくれた。その家は芝明舟町の路次の中にあった。左手は上り口で、右手には勝手の明り障子が嵌めてあって、それに油で二重の波形の模様が描いてある。そんな家である。二人はそこで泣き通した。
幼時の記憶はとかくはっきりしていない。そこには一貫した糸も見えず、連続した関係もうまくたどれない。ただそれが思量の或る一角に置かれた時、結晶体に予想せられるように、その一部分がどうかすると、ふと強い光を放つことがある。それだけである。もしこれがアナトオル・フランスであったなら、こんな幼時の些少な砕けた感動の種子からも、丹誠して見事な花を咲かせたであろう。鶴見は気まぐれにも、ここでそんな考を運らして見た。アナトオル・フランスの幾巻かを成す幼年物は、晩年も晩年、老熟し切った文芸の畑の土壌に培われた作品である。