후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆめはよびかわす
夢は呼び交す
蒲原 有明
蒲原 有明의 夢は呼び交す(ゆめはよびかわす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,126자 · 210화면
しかるにそれはどうであろう。質素極まる仮表装で、一点の飾もない白と黒とが、まるで何かの喪に籠っているように思われる。『蓬莱曲』というのは正にそんな本であった。しかもこっそりと世の中に出たのである。
鶴見は中学に通うようになってから、毎日数寄屋橋をわたって、銀座尾張町の四辻を突切って行く。そしてこんなことを思っている。「おれの足はきょうも透谷の住んでいる家の前の舗道を踏んできたのだ。」こう思って、それをひそかに誇りとしていた。そんな日もあったのである。
透谷の家というのは、銀座通りよりもむしろ数奇屋河岸の方に近よっていたかと思う。河岸から来れば左側の小さな角店で、煙草をひさいでいた。そういう店の奥に将来を期待される詩人が世に容れられずにしじまっているということを、少年の心にはまだ不思議とも思わずにいられた。彼はただ詩人という呼声に酔わされていたのである。
北村透谷の『蓬莱曲』がその頃出た新刊書の一つである仮表装の素朴な本であることはすでに述べた。恐らく二、三十銭そこそこで売っていたのだろう。それにもかかわらず鶴見はその本をどうして手に入れたものかとその算段に数日心を悩ました。