후리가나로 읽는 일본 고전
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だいどうじしんすけのはんせい
大導寺信輔の半生
芥川 竜之介의 大導寺信輔の半生(だいどうじしんすけのはんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,611자 · 26화면
二 牛乳
二 牛乳
信輔は全然母の乳を吸ったことのない少年だった。元来体の弱かった母は一粒種の彼を産んだ後さえ、一滴の乳も与えなかった。のみならず乳母を養うことも貧しい彼の家の生計には出来ない相談の一つだった。彼はその為に生まれ落ちた時から牛乳を飲んで育って来た。それは当時の信輔には憎まずにはいられぬ運命だった。彼は毎朝台所へ来る牛乳の壜を軽蔑した。又何を知らぬにもせよ、母の乳だけは知っている彼の友だちを羨望した。現に小学へはいった頃、年の若い彼の叔母は年始か何かに来ているうちに乳の張ったのを苦にし出した。乳は真鍮の嗽い茶碗へいくら絞っても出て来なかった。叔母は眉をひそめたまま、半ば彼をからかうように「信ちゃんに吸って貰おうか?」と言った。けれども牛乳に育った彼は勿論吸いかたを知る筈はなかった。叔母はとうとう隣の子に――穴蔵大工の女の子に固い乳房を吸って貰った。乳房は盛り上った半球の上へ青い静脈をかがっていた。はにかみ易い信輔はたとい吸うことは出来たにもせよ、到底叔母の乳などを吸うことは出来ないのに違いなかった。が、それにも関らずやはり隣の女の子を憎んだ。