후리가나로 읽는 일본 고전
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あにきのようなこころもち
大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
芥川 竜之介의 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ(あにきのようなこころもち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,007자 · 56화면
格さんと食慾
宇野浩二は聡明の人である。同時に又多感の人である。尤も本来の喜劇的精神は人を欺くことがあるかも知れない。が、己を欺くことは極めて稀にしかない人である。
のみならず、又宇野浩二は喜劇的精神を発揮しないにもしろ、あらゆる多感と聡明とを二つとも兼ね具えた人のように滅多にムキにはならない人である。喜劇的精神を発揮することそのことにもムキにはならない人である。これは時には宇野浩二に怪物の看を与えるかも知れない。しかし其処に独特のシャルム――たとえば精神的カメレオンに対するシャルムの存することも事実である。
宇野浩二は本名格二(或は次)郎である。あの色の浅黒い顔は正に格二郎に違いない。殊に三味線を弾いている宇野は浩さん離れのした格さんである。
次手に顔のことを少し書けば、わたしは宇野の顔を見る度に必ず多少の食慾を感じた。あの顔は頬から耳のあたりをコオルド・ビフのように料理するが好い。皿に載せた一片の肉はほんのりと赤い所どころに白い脂肪を交えている。が、ちょっと裏返して見ると、鳥膚になった頬の皮はもじゃもじゃした揉み上げを残している。――と云う空想をしたこともあった。