후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
「では、御免下されましてな……」
ペタペタと砕けてしまった腰を立てながら、後退って逃げてしまった男の形が眼に見るようです。それを逃がして追わず、そのあとで竜之助が、歩みよってそこに感得した何物かの物体を撫で廻してみると、それは動かない長い箱でした。つまり、撫でてみてはじめて長い箱の存在を知ったので、最初、立ち止ったのは、ここに白木の長い箱が存在することを怪しんで、そうして、不審とながめている間に、死人が動き出したという順序ではなかったのです。
撫でてみて、はじめて、かなりに長い箱だと感触したが、それが白木であって、手ざわりからすれば、当然寝棺と気のつくまでに、竜之助の手先に触れたのは、その寝棺の上にふわりと打ちかけてあった、一重ねの衣類でした。
竜之助は、その長い箱が白木であるか、塗物であるか、寝棺であったか、長持であったか、まだわからない。その上にのせられた一重ねの着物のみが手にさわると、
「ははあ、これを盗みに来たのだな、今の奴は、これを盗もうとしてこっちの姿に驚かされたのだ」
とわかりました。
三十七
しかし、この長方形の存在物が、人間というものの最後のぬけ殻を入れた器物の一つであったことを覚ったのは、長い後のことではありませんでした。