후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
「お父さん――」
ついに一人の男の人をこの子がとらえてしまいました。見れば、なるほど、小柄で、そうして背が低いには違いないが、その身体は桐油の合羽でキリリと包んでいるし、質素な竹の笠をかぶり、尋常な足ごしらえをしているものですから、お銀様に先手の打てようはずがありませんでした。
しかし、この幼尼からとらえられた時に、笠と合羽の主は、ハッと物に打たれたように向き直って見た瞬間、お銀様も、確かに、その人相を見てとりました。厳しい顔であると思いました。厳しいというのは、その尋常な田舎老爺としてのこしらえに比較してみて言うことで、なるほど、赤銅色に黒ずんだ顔面の皮膚の下の筋肉は鋭いほどに引締っている。同時にその金看板であるところの、額から頬へかけての創が稲妻のような鋭いひらめきを見せないではいない。
その瞬間――お銀様は、この創は決して、若い時に木を伐りに行って受けた創ではないということを直覚しました。第一、この隙間のない小柄な男が、木を伐って、その伐られた木に仕返しをされるまで、便々と待っているような男であり得るはずがない。
こう、直覚的にお銀様の眼に映った時に、一方、その機会に、ふっつりと、今まで自分の背後にペチャクチャと燈籠の故事来歴を囀っていたキザな声が止んでしまったことも、かえって耳障りでした。