후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
自然、捕方の役人たちの、ここにいたるまでの苦心惨憺も思いやらるると共に、ここにいたっても、なお且つ安心せられざるものが多分にあると言わなければならぬ。どのみち、こうまで袋の鼠としてしまった以上は、どう間違っても逃しっこはないのだが、とどめを刺すまでには相当の犠牲を思わねばならぬ。なるべく最小の犠牲をもってしたいことは卑怯の心ではない、自然、最初は劇しいかけ声と共に、遠巻きに巻いて圧迫を試みて行くだけの戦略ですが、囲む者も、囲まれるものも、またそれを眺むるものも、真蒼です。
笠の台だけを残して、それをまだ解き捨てる余裕のない創男の兇賊子鉄の頭は、常ならばいい笑い物ですけれども、笑うものなどは一人もない、捕方も、見る者も、眼が釣上り、面が真蒼になって、息がはずんでいるばかりです。
お銀様は、囲まれた子鉄の面を、真正面からまざまざと見ることができました。
不思議なことには、この時、群衆の中に起った一種の同情が、捕方の上よりは、むしろ囲みを受けた味鋺の子鉄の上に注がれて来たようです。
直接、間接に、名古屋城下がこの一兇賊のために、どのくらいの恐怖と迷惑とを蒙らせられたかわからないのに、こうなってみると、子鉄も憐れなものだ! と、一種の同情心のようなものが湧くのを如何ともすることができないようです。