후리가나로 읽는 일본 고전
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おおさかのゆううつ
大阪の憂鬱
織田 作之助
織田 作之助의 大阪の憂鬱(おおさかのゆううつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,647자 · 14화면
(目撃者の話)――この乱闘現場の情景を目撃してゐた一人、大和農産工業津田氏(仮名)は重傷に屈せず検挙に挺身した同署員の奮闘ぶりを次のやうに語つた。
――場所は梅田新道の電車道から少し入つた裏通りでした。一人の私服警官が粉煙草販売者を引致してゆく途中、小路から飛び出して来た数名がバラバラツと取りかこみ、各自手にした樫棒で滅茶苦茶に打ち素手の警官はたちまちぶつ倒れて水溜りに顔を突つ込んだ。死んだやうになつてゐた数秒、しかし再び意識をとり戻した彼が、勇敢にも駈け出した途端に両手に煉瓦を持つて待ちぶせてゐた一人が、立てつづけに二個の煉瓦を投げつけ、ひるむところをまたもや背後から樫棒で頭部を強打したため、かの警官はつひにのめるやうにぶつ倒れたのだ。
ところが、この事件のあった二日後の同じ新聞には、既に次のような記事が出ているのだ。
「流血の検挙をよそに闇煙草は依然梅田新道にその涼しい顔をそろへてをり、昨日もまた今日もあの路地を、この街角で演じられた検挙の乱闘を怖れる気色もなく、ピースやコロナが飛ぶやうに売れて行く。地元曾根崎署の取締りを嘲笑するやうに、今日もまた検挙網のど真中で堂堂と煙草を売つてゐる一人の闇商人曰く――