후리가나로 읽는 일본 고전
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,681자 · 22화면
「お鳥が申しますには、私には姪も甥もございません、五六日前から山の手の知合の家へ泊り込みで仕事の手伝に行っている留守中、御近所の衆のお話では、若い女と男と二人で入り込み、夫婦気取りで泊っていたと申しますが、別に紛失物も無いので、御届もいたしません、――姪などと、飛んでもない、私は芳江という名を聴くのも初めてで、――と斯様に申します」
報告はまことに予想外でしたが、重ねて幾人家来をやって訊ねさしても、返事は同じことです。
そればかりでなく、高力家の捜索があまりうるさくなると、叔母のお鳥もささやかな世帯を畳んで、何処ともなく引越してしまい、あとは全く捜しようも無い有様になってしまいました。
高力伊予守忠弘の悩みが、どんなに深刻なものであったか、この人の性格が純なだけに思いやられます。椎茸髱、白粉、笹紅の御守殿に取かこまれ、許婚の絹姫のたき姿を見ながら、忠弘は悩みに悩みました。
可愛らしい掌を肉刺だらけにして、火の粉の中を漕ぎ抜けたあの女――継の当った木綿物を着ているくせに、名香の匂いを持った不思議な娘、野蛮な情熱と、聡明さとを兼ね備えた芳江――忠弘はその幻を追って、夜も昼も、うつらうつらと考え続けていたのです。