후리가나로 읽는 일본 고전
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,830자 · 24화면
五
五
幽里子の傷は、かなりの重傷でしたが、幸いに心臓部を避けていたので、辛くも命を取止めました。
が、その身体を今直ぐ動かすわけには行かなかったので、診察室の隣を仮の病室とし、ビルディングの持主なる、東野南次の友人から寝台その他の必要品を借りて、兎も角も一応の手当を終ったのです。
一方警察へも届けて幽里子を刺したヨタ者の半沢伝次の手配をして貰い、さてそれから幽里子の身許を調べることになりましたが、重態でまだ口をきかせるわけにいかず、已むを得ず外科医も立ち会いの上、手提袋を開けて、目黒の駅の近くで曾我野幽里子――という宛名を見つけました。
東野南次がとんで行くと、それは小綺麗なしもた家で、表札の曾我野礼子というのは、幽里子の母親の未亡人で、五十二三の上品な婦人でした。幽里子の災難を聞いて、顛倒したのも無理のないことです。
しかし、幽里子の容態は、思いの外順調で、まずこれならば大丈夫――と、お医者が言ってくれたのは三日目。七日目にはもう、見舞の人達と、静かに話しをする程度に元気を取戻していたのです。
母親の礼子は病床に付きっきりで、夜の眼も寝ずに介抱しました。