후리가나로 읽는 일본 고전
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ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
山本 周五郎의 契りきぬ(ちぎりきぬ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,757자 · 66화면
「わたくし大丈夫でございます」
おなつは痛むのをがまんして、男の悠りした大股に小走りでついていった。
北原精之助の住居は上条という処にあった。三の曲輪へゆく乾門の通りから北へはいり、屋敷町のいちばん端に当っている――表からはいると、塀に沿ってすぐ右に、侍長屋のような建物がある。彼はその戸口を叩いて「仁兵衛、仁兵衛」と呼んだ、そうして灯を持って老人があらわれると、
「この人に湯をつかわせて、なにか着る物を出してあげて呉れ、足を痛めているらしい、薬をつけて、それから、――なにか事情があるようだから、よく聞いたうえで世話をしてやって呉れ」
こう云って自分は向うへ去った。
そこは仁兵衛という下僕の小屋でかねという老妻とふたりで住まっていた。仁兵衛は五十六七、妻女もおつかっつであろう、二人ですぐに湯を沸し、行水をつかわせ、妻女の若いころ使ったという、肌のものから、帷子の帯などを出して着せて呉れた。
「ああこれは釘を踏みぬいたのだ。錆びていたんでなければいいが、とにかく、――かね、来てちょっと手を貸さないか、少し血を出しておくほうがいいかもしれぬ」
おなつはされるままになっていた。