후리가나로 읽는 일본 고전
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ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
山本 周五郎의 契りきぬ(ちぎりきぬ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,757자 · 66화면
二の一
そしてこのあいだに、問われたとき、答える話の筋みちを、念をいれてしっかりとあたまにたたみこんだ。すっかり終ると、妻女の淹れて呉れた茶をひとくち啜り、両手を膝に置いて、ぽつりぽつり身の上話をした。
「家はごく軽い侍でございました。藩の名はおゆるし下さいまし、――家族は父母と兄、わたくしの四人でございました」
洪水を思わぬ災厄というふうにぼかし、父と兄をいちどにとられたこと、母は重病になって、その療治のために金を借りたこと、母が亡くなったあと、借りた金に縛られてこの土地へ伴れて来られたこと、そうして素性のいかがわしい男と結婚させられることを知り、いっそ死ぬつもりでとびだしたこと、――およそそういうぐあいに、嘘と事実とをとりまぜて語った。おなつがとぎれとぎれに話すあいだ、外には依然しずかな雨の音がしていた。
二の一
仁兵衛がいってそのとおり事情を話したらしい、半刻ほどすると母屋のほうへ移され伊代という老女にひきとられて、その夜は煎じ薬などのまされて寝た。
伊代という人は精之助の乳母だったが、そのまま現在まで住みつき、今では家政のたばねをしているということだった。