후리가나로 읽는 일본 고전
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ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
山本 周五郎의 契りきぬ(ちぎりきぬ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,757자 · 66화면
約束の日は迫って来た。
三十日という期限が、五日となり四日と迫ってゆく。おなつはあせりだした、そして気持がせいてくるにしたがって、しだいに自信がなくなり、不安な、怖れのような感情が大きくなった。――『みよし』の女あるじの云ったことは本当だ、あのひとはほかのひととはまるで違う、自分などには及びもつかないことだ。こういう考えがだんだん重く胸を塞ぐのである。だが一方ではそれに反撥する気持もつよくなった。
――いやそんなことはない、友達づきあいとはいえ、『みよし』などへ遊びに来るからには、まったく興味がないわけではなかろう……まだ初心なので、自分から機会を把むことができないだけだ。
――そうだ、こっちを見る眼つきの、ときに燃えるような激しさは、慥かに心ひかれている証拠だ、こっちからとびこんでゆけばいいのだ。
今夜こそ思いきって、そんなふうに自分を唆しかけ、そのときは眼をつぶってもと思うのだが、そのあとではきまって決心がゆらぎ、どうしても臆してしまうのであった。――もういけない、やっぱりごまめの歯ぎしりだった。いよいよ期限が明日という日になって、おなつはついにこう諦めた。