후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,780자 · 43화면
私がこの前に長崎を訪れたのは今からちょうど十年前であった。季節もちょうど今ごろであったろう。その年の十二月に太平洋戦争が始まったのだが、そのキザシは至るところに見ることができた。長崎港内の造船所のドックにはいりきれずに大きな図体を湾内に露出していたのは「大和」であったらしい。
私はそのとき「島原の乱」を書きたいと思い、それを調べるためにあの地方を二週間ぐらいブラブラしていたのである。長崎では、毎日図書館に通って、そこにだけしかない郷土史料を筆写していた。「南高来郡一揆の記」だとか、そのほか三四そこで筆写したものを、戦争中にどこへどうしたか見失ってしまったのはバカげたことであるが、切支丹資料の主要なものはそのころたいがい集めておいたし、地図なども揃えておいた筈だから、と安心しきって、今度の旅行にでかけた。十年前にゆっくり滞在した長崎だ。新しく見聞する必要があるのは原子バクダンの跡だけだ。私はそう考えて、長崎の古本屋で若干の本を買ったりしたが、一番平凡な探し物を忘れていたのだ。
私は家へ戻って長崎の地図を探した。島原も天草も五島も、参謀本部の五万分の一、二十万分の一、みんな揃っているが、長崎だけがないのだ。