후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,780자 · 43화면
ない筈ですよ。私はようやく思いだした。長崎は要塞地帯だもの、五万分の一が手にはいらぬのは当然だったばかりでなく、通俗な市街図すら、当時は手に入れることができなかった。私は長崎の人に手製の地図を書いてもらって、それをタヨリに歩いていたが、諏訪神社のベンチに腰を下して長崎港を眼下に眺めつつその手製の地図を見ているときに憲兵につかまって訊問されたことがあった。そのことは覚えていたが、時勢の変った悲しさに、それが手製の地図だったのをすっかり忘れていたのであった。
あのときは驚きましたよ。何事に驚いたかというと、その時まで海軍の憲兵というものを知らなかったから、セーラー服にツバのない水兵帽をかぶって、古風なキャハンをはいた坊やのふくらんだようなのが私を訊問にきたので、おどろいた。彼は私を自分の詰所へ連行した。詰所といってもボックスがあるわけではない。公園の中の自然の立木のようなのに電話器がつけてあって、それ以外には特別なものは何もない。私が調べられている時にも電話がかかってきた。それから判断すると、いたるところの山の上や中腹などにこういうカンタンな詰所だか見張所のようなものがあって、そこから対岸や左右の山中や市街を望遠鏡で見張りあって、お前のところの公園のベンチに変な奴が膝の上の紙と港を見くらべている、取調べよ、