일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いけぶくろのみせ

山之口貘詩文集

山之口 貘

山之口 貘의 山之口貘詩文集(いけぶくろのみせ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,477자 · 93화면

아오조라 문고

人類は鼻など持っているために、こんな臭い仕事とおもわないのではなかったのであるが、鼻をなだめすかして汲み取るより外には術もなかったのである。まもなく出来た詩が「鼻のある結論」というのである。

ある日

悶々としてゐる鼻の姿を見た

鼻はその両翼をおしひろげてはおしたゝんだりして 往復してゐる呼吸を苦しんでゐた

呼吸は熱をおび

はなかべを傷めて往復した

鼻はつひにいきり立ち

身振り口振りもはげしくなつて くんくんと風邪を打ち鳴らした

僕は詩を休み

なんどもなんども洟をかみ

鼻の様子をうかゞひ暮らしてゐるうちに 夜が明けた

あゝ

呼吸するための鼻であるとは言へ

風邪ひくたんびにぐるりの文明を掻き乱し

そこに神の気配を蹴立てゝ

鼻は血みどろに

顔のまんなかにがんばつてゐた

またある日

僕は文明をかなしんだ

詩人がどんなに詩人でも 未だに食はねば生きられないほどの

それは非文化的な文明だつた

だから僕なんかでも 詩人であるばかりではなくて汲取屋をも兼ねてゐた

僕は来る日も糞を浴び

去く日も糞を浴びてゐた

詩は糞の日々をながめ 立ちのぼる陽炎のやうに汗ばんだ

あゝ

かゝる不潔な生活にも 僕と称する人間がばたついて生きてゐるやうに