후리가나로 읽는 일본 고전
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やまでらのかい
山寺の怪
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 山寺の怪(やまでらのかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,147자 · 13화면
彼はつかつかと藩邸の小門の口へ往った。
「頼もう」
そこには門番がいた。
「身どもは国おもてから使にまいったものだ」
武士は中へ入って手続をふみ、己の住居することになっている長屋へ入った。長屋の両隣には心安い人がいたが、もう夜が更けているのでその夜はそのまま寝ることにして寝た。そして、何かの拍子に眼をさましてみると有明の行燈の傍に人影があった。武士ははっと思った。それは痩せてよぼよぼした鼠色のどろどろした法衣を着た、見覚えのある蒼い顔の左の眼の潰れている老僧であった。
「おのれ」
武士が刀に手をかけた。老僧の悲しそうな地の底からでも聴えて来るような小さな顫いを帯びた声が聞えてきた。
「そんなにいばったところで、人間は草の露のようなものじゃ、いつどうなるか判るものでない」
「何をッ」
武士はいきなり刀を抜いて切りつけた。老僧の姿はそのまま煙のように消えた。武士は室の中を見てまわったがもう何もいないので刀を鞘に納めて寝た。そして、また何かの拍子に眼をさましてみるとまた彼の老僧が行燈の側に坐っていた。老僧の泣くような悲しそうな地の底から聞えて来るような小さな声がまた聞えて来た。