후리가나로 읽는 일본 고전
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ていぎんじけんをろんず
帝銀事件を論ず
坂口 安吾의 帝銀事件を論ず(ていぎんじけんをろんず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,227자 · 15화면
戦争は終った、という観念上の空言を弄して、この現実に新展開をもとめようとするのは、現実に魔法を行おうと試みるような幼稚なことで、現に荒廃せるこの様相をまずシカと認識してかからねばならぬ。すなわち、街は焼け野である。人は雑居し、骨肉食を争い、破れ電車に命をかけて押しひしめいている。
私が帝銀事件に感じるものは、決して悪魔の姿ではない。バタバタと倒れ去る十六名の姿の中で、冷然と注射器を処理し、札束をねじこみ、靴をはき、おそらく腕章をはずして立ち去る犯人の姿。私は戦争を見るのである。
あの焼け野の、爆撃の夜があけて、うららかな初夏の陽ざしの下で、七人の爆屍体を処理しながら、屍体の帽子をヒョイとつまんで投げだす若者の無心な健康そのものの風景。木杭よりもなおおそまつに焼屍体を投げころがす人々。
私の見たのはそれだけであるが、外地の特務機関だとか憲兵だとか、芋のように首を斬り、毒薬を注射して、無感動であった悪夢の時間があったはずだ。戦争というまことに不可解な麻薬による悪夢であり、そこでは人智は錯倒して奇妙に原色的な、一見バカバカしいほど健全な血の遊びにふけり麻痺しきっていたのである。