일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ていぎんじけんをろんず

帝銀事件を論ず

坂口 安吾

坂口 安吾의 帝銀事件を論ず(ていぎんじけんをろんず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,227자 · 15화면

아오조라 문고

私は帝銀事件の犯人に、なお戦争という麻薬の悪夢の中に住む無感動な平凡人を考える。戦争という悪夢がなければ、おそらく罪を犯さずに平凡に一生を終った、きわめて普通な目だたない男について考える。終戦後、頻発する素人ピストル強盗の類いが概ねそうで、すべてそこに漂うものは、戦争の匂いなのである。道義タイハイを説く人々は、戦争は終った、という魔法の呪文を現実に信じつつある低俗な思考家で、戦争といえば戦争、民主主義といえば民主主義、時流のカケ声の上に真理も実在していると飲みこんで疑らぬ便乗専一の常識家にすぎない。

戦争はけっして終っておらぬ。四囲の現実は今こそ戦争中よりも戦争的であり、人々の魂はそれ自ら戦争の相を呈しているではないか。なにゆえか。物がないからだ。衣食足れば礼節を知る。まことに真理は単純であり、その通り、永遠不変の実相なのである。電車が有りあまれば、押せといっても押しはせぬ。物資に事欠くことがなければ、何者が盗むであろうか。昔からそうである。戦争のせいではない。人が物を盗むのは、物に窮しているからである。

われわれは同胞を信頼しなければならぬ。