후리가나로 읽는 일본 고전
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
しかしそれは母の墓といっても、母ひとりのための墓ではない。父方の上条家の代々の墓なのである。上野の寺侍だったという祖父、やはり若いうち宮仕えをしていたという祖母、明治のころ江戸派の彫金師として一家を成していたという伯父などと、私の見たことさえもないような人たちの間になって、震災で五十一の年に亡くなった私の母は、そこに骨を埋めているのである。
私と妻とは、その墓を前にして、寺男のくるのをしばらくぼんやりと待っていた。
「あのそばにある小さなお墓は誰れのですか。」
「さあ、誰れんだか……」私はそういわれて、母たちの墓のそばに黄楊の木の下になってちょこんと立っている、ごく小さな墓石へ目をやった。そういう墓石のあったことさえ、いままで私は殆んど気づかなかった。気づくことはあっても、それを気にしないで見すごしていた。「なんだか子供のお墓のようだけれど、一度もきいたことがないなあ。」
妻も別にそれ以上それを知ろうとしなかったし、私もそのときちょっと不審におもったきりでしまった。
寺男が閼伽桶と線香とをもってきて、墓の苔を掃っている間、私たちは墓から数歩退いて、あらためて墓地全体をみやった。