일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ようねんじだい

幼年時代・晩夏

堀 辰雄

堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면

아오조라 문고

という、父の懇意にしていた、大きな問屋だった。

その昔風の、問屋がまえの、大きな家は、昼間から薄暗かった。細い櫺子の窓からだけ明りを採り入れている部屋部屋の、ずっと奥まった中の間のような所に、私達は寝泊りしていた。そうして私達はいつもおおぜい人のいる店の方へはめったに行かないで、狭い路地にひらかれている、裏の小さなくぐり戸から出這入りしていた。そういう商家のすべての有様が少年にはいかにも異様だった。……

そこに私達が何日ぐらい、或は何箇月ぐらい泊っていたか、覚えていない。それからその家の主人の、「きんやさん」といつも私の父母が親しそうにしていた大旦那のことも、それから私達の世話をよくしてくれたそのお内儀さんのことも、殆ど私の記憶から失われている。それからもう一人、――たとえ偶然からとはいえ、私が自分の人生の或物をその人に負うているのに、いつか私の記憶から逸せられようとして、あやうくその縁に踏み止まっているといったようなのは、その日々私をたいへん可愛がってくれた店の若衆の一人だった。よくお昼休みなどに、彼は私をその頃まだ私には珍らしかった自転車に乗せて、賑やかな電車通りまで連れていってくれた。