일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ようねんじだい

幼年時代・晩夏

堀 辰雄

堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면

아오조라 문고

……

私の父は彫金師だった。しかし、主にゴム人形だとか石鹸などの原型を彫刻していた。父がいつも二三人の弟子を相手に仕事をしている細工場へ私は好んで遊びに行った。「また坊主か。」父は私を見ると、いつもにっこりして、金屑だらけになった膝の上に乗せてくれ、しばらくは父の押木の上に一ぱいに散らかっている鉄槌だの、鏨だの、鑢だのを私にいじらせてくれた。が、それを好いことにして、私がだんだん父の膝を離れて、他の弟子たちの前まで出かけて行き、そこいらの押木の上に乱雑に積んであるものなどを手あたり次第にいじくり出していると、「こら、坊主……」とこんどは父に叱られて、すぐ私はその細工場から追い出されてしまうのだった。が、その細工場じゅうに何処とはなしに漂っていた金屑のにおいなしには、もはや自分の幼時を思い出せない位、私はいつかそれ等のにおいを身につけてしまっていたのだった。

が、あんまりちょいちょいその細工場へ行ったりすると、私はしまいには其処にあるものをいじくらないように、見本にきている綺麗な外国製のゴム人形などをあてがわれた。しかしそんなちゃんとしたものよりも、いま父のこしらえかけている、まだ目も鼻もついていないような、そっけない人形の原型の方が、ずっとかわいらしくて好きだった。