일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ようねんじだい

幼年時代・晩夏

堀 辰雄

堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면

아오조라 문고

――そんなに足場の悪い、貧弱な村も、その地震の直後は、避難民たちで一ぱいになり、そのひっそりした隅々まで引っくり返されたように見えたが、二週間たち、三週間たちしているうちに、それらの人々も、或るものは焼跡へ帰って行ったり、又、他のものは田舎の、それぞれに縁故のある村へ立ち退いて行ったりして、この村も、丁度コスモスの咲き出した頃には、漸くその本来のもの静かな性質を取り戻しつつあった。

私は父とその村に小さな家を借りて、しばらく落着いていることにしたのだが、その頃私はと言えば、何んとも言いようのない、可笑しな矛盾に苦しめられていた。私は私の母を、その地震によって失ったばかりであった。それにもかかわらず、私には自分がその事からさほど大きな打撃を受けているとはどうしても信じられなかったのだ。私自身にもそれが意外な位であった。そうしてそれは、その村で私の出遇った昔の知人どもが、「まあ、お可哀そうに……」と言いたげな顔つきで私を見ながら、私に何か優しい言葉をかけてくれたりすると、その度毎に、私は殆んど気づまりなような思いをした位であった。――しかし、そのための打撃はその頃私の信じていたほど、決して軽いものではなかったのだ。