후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 思い違い物語(おもいちがいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,840자 · 88화면
二の一
二の一
典木泰助と泰三の兄弟について、この辺でその身分関係の要点を記しておこう。……かれらの父は斎宮といって、江戸家老を十二年も勤続した。きげんのいいときは中ぐらい肚を立てているような顔つきで、怒っているときはきげんのいいような顔になった、ということである。母の名はそで、同藩の佐々木氏の出で、妻としても母としてもごくあたりまえな、――ということは女性としては優良の部に属するだろうが、――容姿も気質も中ぐらいな人であった。
人はみかけだけでは判断はできない。斎宮は十二年も江戸家老を勤続して、比較的には謹厳実直な人物であると信じられていた。にも拘らず、十二年めの夏のことであるが、どう魔がさしたものか、御手許金を二千両も遣いこみ、殿さまお気にいりの若い侍女を殴打し、そのついでというわけでもないだろうが、殿さまにも悪態をついて、そうして自分は腹を切って死んでしまった。……殴打された若い侍女はたいそう泣き悲しんで、自分をひいきにして呉れた殿さまに対してなにか侮蔑的なことをいって暇を取って出ていったそうで、殿さまの立場としては二千両も遣いこまれたうえのことでもあり、相当な損害などという程度ではなかった。