후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 思い違い物語(おもいちがいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,840자 · 88화면
「本多孫九郎ですって」
吉太郎が大きな声をだし、かれらは互いに眼を見交わした。泰三はそんなことは気がつかないから、喧嘩のこと、井上角兵衛が仲裁にはいったこと、それから観水楼で盛大に仲直りの宴会をしたことなど、例のあけっ放しな調子ですっかり語った。
「かれらは先手を打った」吉太郎が仲間に向ってそう云った、「――われわれの先手を打って、典木氏を懐柔しようとしたんだ」
「なんだいそれは、あいつらになにか魂胆でもあるというのかい」
「その喧嘩はわざと拵えたものなんです」白井九郎兵衛が云った、「――井上が仲裁に出ることも、仲直りの宴会も、初めからみんな計画されたことなんですよ」
「へえ、妙な趣向を凝らすもんだね、こっちじゃあみんなそんな手数をかけて人と知合になるのかい」
「そんなばかなことはありません、かれらは特に理由があってそうしたんです」
野村吉太郎が沈んだような声で云った。それは自分の言葉に重みと実感を添えるためらしく、自然その表情や姿勢も厳としたものになった。
「その理由というのは、これは典木さんだから申上げるのですが、実に憎むべき汚職事件からきているのです」