후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 思い違い物語(おもいちがいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,840자 · 88화면
殿は自分に対して舌打ちをなされた、「――そういえば帰国以来まだ彼の顔を見ないようだが、彼は今どうしておるのか」
「そのことでございますが、実は泰三めの粗忽にはみな非常に迷惑致しまして」右衛門がこう答弁した、「――去る年末よりごく害のない仕事を宛がいましたところ、どこに興味をもちましたものか、今日に到るまで存外の熱中ぶりにて、日夜強行、いまだその無害なるところの仕事に没頭しておるありさまでございます」
「ふむ、無害な仕事、……無害な」
殿はこう呟いて首を捻られた。こちらでは満信城代と右衛門が眼を見交わし、けげんな顔つきでこう囁いていた。
「殿が金満家であられると、金満家で」
「わけがわからん、金満家とはなんであろうか」
三者会談はこのようにして終った。
それからつい数日して、殆んど半月も城に詰めっきりの泰三が、いきなり知宣に面謁を求めた。そのとき知宣は菩提山という処まで遠乗りをして、ちょうど帰ってこられたところであった。菩提山は桜の名所で、また葛の根で拵えた、「万力餅」という菓子も名物として知られているが、ここには関係がないだろう、……殿はもちろんすぐに泰三とお会いなされた。