후리가나로 읽는 일본 고전
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,233자 · 223화면
も無慙な、苦しみを伴なった思い出なのではあるが……)そのネネが、新しき情人、木島三郎と、親しく暮しているであろうことを思うと、それだけで東京全体が、ひどく穢わしく淫らがましく、酸ッぱいものが咽喉の奥にこみ上って来るのだ。
(それを忘れるまで、東京へは帰るまい……)
私は、そう思っていた。そう思って東京を棄て、まだ春も浅い、さびれた海岸町に来たのだ。
だが、忘れようと、焦慮れば焦慮るほど、私はあのネネの、真綿で造られた人形のような、柔かい曲線に包まれた肉体を想い出し、キリキリと胸に刺込む痛みを覚えるのだ。黄昏になると、殊にその誘惑がひどくなる。
その上、糸の切れた凧のようなその日その日であったせいか灯ともし頃になると、どうしても凝乎としてはいられなくなって、あてもない道を、まだ肌寒い風に吹き送られ乍ら、防風の砂丘を越えて、野良犬のように迂路つき廻るのであった。
時には潮の引いた堅い砂の上を、すたすたと歩き、或は檣のように渚に突立って、黝みゆく水平線のこんもり膨れた背を、瞬きを忘れて見詰め、或は又、右手の太郎岬の林を染めている幽な茜に、少女のような感傷を覚えたり、さては疲れ果て、骸骨のような流木に腰を下し、砂に潜った足先に感ずる余熱の温りを慈しみ、ざざあ、ざざあ、と鳴る単調な汐の音に、こと新しく聞き入るのであっ