일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

蘭 郁二郎의 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,233자 · 223화면

아오조라 문고

舌打する

チェッ、と野村は舌打をすることがよくあった。彼は遠い昔の恥かしかった事や、口惜しかったことを、フト、なんの連絡もなしに偲い出しては、チェッと舌打するのである。

(あの時、俺はナゼ気がつかなかったんか、も少し俺に決断があったら……)

彼はよくそう思うのであった。けれど夢の中で饒舌であるように、現実では饒舌ではなかった。女の人に対しても口では下手なので、手紙をよく書いた。けれど矢っ張り妙な恥かしさから、彼の書いた手紙には、裏の裏にやっと遣る瀬なさを密めたが、忙しい世の中では表てだけ読んで、ぽんと丸められて仕舞った。

又女の人と一緒に歩いても、前の日に一生懸命考えた華やかな会話は毛程も使われなかった。そして、彼はただ頷くだけの自分を発見して淋しかった。然しその時は、ただ一緒に歩くだけで充分幸福であるのだが、あとで独りになると、チェッと舌打するのである。

小学校三年の時、一級上の女生徒と、なぜか一緒に遊びたかったけれど、言い出す元気もなく、その子の家の『小田』と書かれた表札を何度も読みながら、わざと傍目も振らず行ったり来たりして、疲れて家に帰った――そんな遠い遠い昔の事を不図偲い出して、又チェッと舌打するのである。