후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふのまぼろしへいだんいん
恐怖の幻兵団員
大倉 燁子
大倉 燁子의 恐怖の幻兵団員(きょうふのまぼろしへいだんいん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,784자 · 28화면
何事かと思いながら、おずおずと彼のあとに着いて行くと、中尉はにこやかに一雄をもてなし、コニャックだの、うまい菓子だのの珍らしい御馳走をしてくれ、狐につままれたようになっている夫に、自分は東京にいたこともあると云って、松岡の父は政界の大立物だの、表面にはたたないが隠れたる勢力家の一人だの、と、しきりに褒めそやすので、少し気味悪るくなりましたが、それでもどうしてこんなによく知っているのだろう、と不思議に思っていると、伝令が来て、中尉に耳打ちしました。
中尉は直ぐ席を起って、一雄について来るように命じ、急にそこから出かけることになりました。どこへ行くのかまるでわかりません。
外には一台ジープが待っていました。中尉の命令で一雄は彼のあとから乗りました。ジープは超スピードで、シベリア大波状地帯のいくつかの丘を越え、かれこれ三十分近くも走りましたでしょうか、あんなにおしゃべりだった中尉はその間一言も口をきかないばかりか、行く先を訊いてもただ口許に微笑を浮べたぎり、何も答えないのです。一雄は薄気味が悪るくなり、不安で堪らなかったのですが、逃げるわけにもゆかず、運を天に任すより他はない、と、じッと眼を閉じ、どうにでもなるようになれと観念していると、ハタと車が停りました。