후리가나로 읽는 일본 고전
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 悪魔の紋章(あくまのもんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,280자 · 301화면
附近の住宅や、その近くに住む竜子の生華の弟子を訪ねて、聞込みの報告を持ち寄るもの、夜番の爺さんを叩き起し、出入商人の御用聞きを引きつれて来るもの、一々を記していては際限がないが、それらの聞込みや問答からは、読者に伝えて置かなければならぬ程の、重大な事柄は殆んど発見されなかった。
だが、その中にただ一つ、ここに書き漏らすことの出来ないのは、一人の刑事に連れられて来た食料品店の御用聞きの陳述である。
「そういえば妙なことがあるんですよ。一昨日の夕方、こちらへ御用を聞きに来ますと、奥さん自身で勝手口へ出ていらしって、今夜中に届けてくれって、妙な註文をなすったのです」
「フム、妙な註文とは」
「それがね、実に妙なんです。店で売っている牛肉の罐詰と、福神漬の罐詰の大きい奴を五つずつと、それから、パン屋さんで食パンを十斤買って、一緒に届けてくれっておっしゃるのです。
そんなに沢山どうなさるんですって、聞いたら、奥さんは怖い目で睨みつけて、何でもいいから持ってお出で、その代りにこれを上げるといって、一円下すったのです。それはもう使ってしまいましたがね。そして、お前の店には内しょに出来ないだろうけれど、パン屋さんにも、その外の人にも、あたしがこんな註文をしたことは、決して云うんじゃないよって、口止めされたんです。