후리가나로 읽는 일본 고전
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
横光 利一의 愛の挨拶・馬車・純粋小説論(ばしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 40,699자 · 78화면
、うろたえないわけにはいかなかった。実際、もしこれが通常の場合であるなら、花江と結婚出来るときかされたら、今直ぐにでも由良は躍り上るほど喜んだにちがいない。しかし、今の花江と結婚するとすれば、――花江が夢殿村に勤めている以上、いずれ遅かれ早かれ、その村の患者と同様な病いに見舞われることは覚悟していなければならぬのだ。そうすれば、ああ――由良は心がほとんど立ち停ったかのように、かつて花江が二年もして後に、その村の病気ではなかったと気附いたときの恐怖が、今初めて由良に感じられて来たのである。まことに、二年の間自分を患者だとばかり思っていて、二年の後にそうではなかったと気が附いたときの喜びと、その後から新しく襲って来た恐怖との振幅ほど大きなものはないであろう。ふたたび街へ出て来たとて、もう伝染してしまっている病いがいつ表面に現れるとも分らず、皮膚一重の下から絶えず恐喝して来るほどなら、住みなれたそこから動き出す気は自分だってなくなるにちがいないと由良は思った。――しかし、いずれにしたって、そんな風にもう早やその大きな恐怖に気づいてしまっている此の自分と、あの花江と、どうして結婚するようになるのだろうと、由良は歩きながらも、自分の分らぬ運命についてしつこく考えざるを得なくなった。