일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あるおんなのしゅき

或る女の手記

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 或る女の手記(あるおんなのしゅき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,447자 · 37화면

아오조라 문고

まだ露に濡れてるかと思える苔生した地面に、植込の木立をもれる日の光りが美しい色を点々と落していた。爽かな空気が一面に罩めていた。誰の姿も見えなかった。私は淡い哀愁に似た気持ちを懐いて、家に帰ってきた。彼に脅かされ続けていた私は、彼の姿を取り去ったお寺の庭に対して、何となき懐しみと物足りなさとを覚えたのである。

それきり私は彼に逢わずに、故郷の家へ帰った。一番上の兄さんは東京に住んでおり、二番目の兄さんは幼くて死に、姉さんは大阪へ嫁いでいるので、故郷の家には両親と弟とがいるきりで、わりに淋しかったけれど、一年ぶりに父母の膝下に身を置くことは、私にとってどんなに嬉しいことだったろう。けれども今は、そういうことを書いてるのではない。私は物語りの筆を進めよう。

故郷に帰ってるうち、彼の姿は私の頭から自然に遠のいていた。所が夏休みの終る頃、もう四五日でまた東京の兄の家へ戻るという時になって、不思議なことが私に起った。

私の家は殆んど郊外と云ってもいい位の、町外れの野の中に在った。お父さんが主に所有地の監督をやるようになってから、その町外れの閑静な家へ引越したのであった。