후리가나로 읽는 일본 고전
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あるそびょう
或る素描
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 或る素描(あるそびょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,802자 · 24화면
長谷部といえば、私達の間には有名な男だった。
或る時、昼食後の休憩の間に、一時までという約束で同僚を誘って、会社と同じビルディングの中にある、撞球場に出かけた。そしていつまでも撞棒を離さなかった。同僚は一時になると先へ引上げてきたが、彼は三時を打って暫くしてから、呑気そうに煙草を吹かしながら戻ってきた。月末のことで、会社の事務は繁忙を極めていた。彼は専務から呼びつけられて、ひどく叱責された。後で給仕から聞いたところによると、彼はその時、如何にも神妙にかしこまって黙って首を垂れたまま、後悔の念と良心の苛責とを深く感じてるもののようだったので、専務も遂に苦笑しながら彼を許してやったそうである。
ところが、その日会社の帰りに、球を撞いた同僚と電車停留場まで歩きながら、彼はこんなことを云った。
「うむ、叱られはしたがね、僕は弁解なんか少しもしなかった。あべこべに向うをやっつけてやったよ。だって君、責任を知らないかって僕に向って云うんだろう。癪に障ったから、責任は立派に知っていますと答えてやった。一時から三時半まで会社の仕事をなまけたとしますと、その二時間半だけ、私は余分に事務を取っていっても宜しいんです、それでもなお事務が残ってるようでしたら、夜中まで居残ってもいいんですし、ビルディングが閉るなら、泊っていって