후리가나로 읽는 일본 고전
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
夢野 久作의 斬られたさに(きられたさに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,352자 · 41화면
ところが今度の帰国を幸い、縁辺の話を決定めたいという親類の意見から、暫く役目のお預りを願って、その空屋同然の古屋敷に落付く事になると、賑やかな霞が関のお局や、気散じな旅の空とは打って変った淋しさ不自由さが、今更のように身に泌み泌みとして来た。さながらに井戸の中へ落込んだような長閑な春の日が涯てしもなく続き初めたので、流石に無頓着の平馬も少々閉口したらしい。或る日のこと……思い出したように道具を荷いで因幡町の恩師、浅川一柳斎の道場へ出かけた。
一柳斎は、むろん大喜びで久方振りの愛弟子に稽古を付けてくれたが、稽古が済むと一柳斎が、
「ホホオ。これは面白い。稽古が済んだら残っておりやれ。チト話があるでな」
と云う中に何かしらニコニコしながら道具を解いた。手酷しい稽古を附けてもらった平馬は息を切らして平伏した。これも大喜びで居残って一柳斎の晩酌のお相手をした。
一柳斎は上々の機嫌で胡麻塩の総髪を撫で上げた。お合いをした平馬も真赤になっていた。
「コレ。平馬殿……手が上がったのう」
「ハッ。どう仕りまして、暫くお稽古を離れますと、もう息が切れまして……ハヤ……」