후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,659자 · 372화면
そして、近正の返辞としては、
(せがれ、一生も、家臣の内にも、不同意の者、これあるによって、御同行の儀は、成り難い)
と、急に態度を変えて、断った――とある。
違約が、違約だけならよいが、いま天下のどこに住んでも、地上の世間は一つでない。西か東か、大坂か徳川方か、二つの世間のどっちかに、身を托さねば、生きてゆけない。
数正との約をやぶり、数正逐電の秘密を事前に知ってしまった以上、とどまる松平近正は、かならず、急を浜松に報じて、身の潔白を証し立てるに利用するだろう。――一大事! とばかり数正の使いが、その狼狽ぶりを、帰るやいな、あたりの人々へわめきちらしたのも、むりはない。
「はて。何としたものか」
家臣たちは当惑した。数正の妻子たちはもとよりである。いよいよもって、帰らぬ奥の客がもどかしい。
「佐内佐内。もう猶予してはいられません。そっと、殿に、お耳打ちでもして……」
数正の妻は、気もそぞろに、いいつけた。山田佐内は奥へ走って、主人と伝右衛門のいる客間の外を窺った。
――と、室内では、依然たる主客二人の声が、初めよりも感情を昂めて、たがいに、何事か、云い争っているふうである。