후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면
愕然――
色を変えたのは勝頼である。あわてたのは穴山梅雪、その他、甲軍の武将たちだった。
「しッ、しまったッ」
三、四人が磔柱を蹴倒した。憤怒、地だんだ、いうまでもない。
十字の上の強右衛門は、その体を柱と共に、どんと地上に横たえて来た。
彼の体は、すでに幾つかの槍の穂に抉られていた。怒りにまかせて、武将たちはその鮮血を踏みつけたり、声なき死顔を蹴とばしたりしたが――忽ちその足は竦み、身は硬ばるような心地に打たれた。
彼らも武士だ。強右衛門の死の意義は余りにも分りすぎている。気高い士魂を抱いていかにも満足そうに死んでいる強右衛門のすがたに対して、敵とはいえ、それを足蹴にかける自分を恥じずにいられなかったのである。
「止し給えッ、城兵の見ている前で醜しいッ。今さら、足蹴にしたところで及ばぬことだ」
ひとり甲軍のうちで、こう呶鳴った者がある。勝頼のそばから駈け出して来た旗本の落合左平治であった。彼はまた、
「何をうろうろしておられるか。敵の眼にもよい笑い草。はやく強右衛門の死骸を後へ退かれてはどうか」
と、未練がましく騒いだり忌々しがる人々をたしなめて、柵の内へ退かせた。