후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면
何しろ藩の財務にかけては、懸け替えのない才腕をもつ大賀であった。殊に家康自身が、彼のその才能をみとめて、厩中間から取り立て、だんだん重用して、いまでは譜代同様な待遇と広範な職権を与えている者なので――平六の云い分もわかるが――裁決に困るのであった。
「平六。……平六」
「はッ」
「いささかの加増は、家康が心遣りじゃ。弥四郎の取りなしによるものでないことは、分っておろうが」
「でも、大賀の申すように世間に聞えましては」
「まあ、聞けい。……そちも忘れてはいまい。わしが岡崎に在城の頃、或る年、田を見廻りに行くと、泥田の中に、百姓どもと打ち交じり、大小を畦において、そちも、そちの妻子も、稲を植えていたことがあろう。……あの時、わしは何というたか。あの折の約束を、いささか今日、果したまでであるぞ。ぐずぐず申さず受けておけい」
「はッ」
と、いったきり、平六はもう返すことばもなく感涙にむせんでいた。
――出でては戦場に槍をとり、帰国しては泥田に働くこの貧しさも、長くはさせておかないぞよと、家康はその折、平六にいったのである。そのことばを、家康も忘れず、平六も思い出して泣いたのであった。