후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면
跡部大炊とわかれて、自分たちの隊へもどって帰る途中、暗然と、顔を見あわせて、
「……美濃どの。おたがいに、生きて亡国の山河は見たくないものだな」
と、沁々、山県三郎兵衛がささやくと、馬場美濃守もうなずいて、
「お身にしても、また、それがしにしても、早や人間の定命には達しておる。このうえは、よき死に場所を得て、先君のおあとを慕い、われわれが、輔佐の任に足らなかった罪を、お詫び申すより道はない」
と、沈痛な眉をして云った。
馬場、山県といえば、信玄の麾下に、その人ありと、多年、四隣にその名の聞えていた勇将である。
ふたりの髪には、はや白いものが増えていた。信玄が死んでから後、急にそれは目立っていた。
甲山の緑は若く、笛吹川の水はことしも強烈な夏を前に、淙々と永遠の生命を歌っていたが、別るる山河に、
(再び汝と相見えることを得るかどうか)
と、無量な思いを抱いて立った将士がどれほどあったろうか。信玄亡きのちの甲軍は、やはり昔日の甲軍ではなかったのである。どこかに一抹の悲調と無常があった。旗ふく風にも、足なみの音にもあった。
――が、公称一万五千という士馬精鋭が、陣鼓を打ち鳴らし、旗幟をひらめかせ、燦々と国境の彼方へさして流れてゆくのを見た甲府の人々の眼には、依然として、信玄在世の頃とすこしも変らない威風が映じてい