일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면

아오조라 문고

甲軍もさるもの、

「これは――」

と、当り難い敵の士気をさとったので、にわかに、彼の鋭鋒を避けて、

「――長篠へ。長篠へ」

と長駆、急転回して、一たん徳川勢にうしろを見せ、他に期するものあるが如く、遠く去ってしまったのである。

長篠!

ここは宿怨の戦場だ。

城。それはまた、不落の堅城といわれている。

もと、永正年間には、今川家が抑えていた所である。それを元亀二年に武田家が収めて領としたが、ふたたび天正元年、家康の攻略するところとなって、いまは徳川家の奥平貞昌を守将に――副将松平景忠、同じく親俊など以下五百余の兵が常備に籠っていた。

地形、交通、あらゆる角度から見て、ここは軍事上、重要な地点だった。ここを持つ持たないは、単に一城の価値だけではなかった。

だから、戦のない日でも、長篠の城には、あらゆる策謀の手、裏切り、流血など反覆常なきものが繰返されて来たのである。

果然――

甲州一万五千の大兵は、城内わずか五百の兵を、天正三年五月八日のたそがれ頃からすっかり封鎖してしまった。

いま思いあわせると、さきに小山田、高坂の一部隊をさし向けたのみで、主力は吉田を衝くと見せ、急にまたここへ迂回して来たのは勝頼の巧みな偽動進軍だったかも知れない。