후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
「いえ、片目が曇っておりまする」
「何、片目か」
秀吉も、大いに笑って、
「与一めが、馬を惜しむは、士らしい物惜しみ、そうありてよしと思うたゆえ、筑前が帰陣までの用達しには、駄馬にてよけれと、わざと駄馬を選んだのじゃが、片目とは思わなんだ。これは厄介な物を所望してしもうたぞやい」
「お気づかいなされますな。虎之助がよいように口輪を取りますれば」
「廃馬も曳きようか」
「そういえましょう」
一里余にして、新堂から高時川附近へ出た。この辺の村落は悉く敵に焼かれていた。秀吉はつぶさに見つつ折々傷む眉をしていた。わけて今市の町へかかると、灰燼のほか眼にふれる物もなかった。聞けば二日前の夜に敵が焼き払ったとのことであるが、以後、雨もないせいか、なお煤り煙っている土もある。
東浅井の今市は、彼の思い出ふかい長浜時代の領下である。
多くの領民は皆、山地へ遁れて姿を見せぬが、広い焼けあとにはなお焼け出されたままの姿で何を求めるか歩いている人影もある。それや路傍の敢えなき亡骸や、何を見るにつけ、秀吉も胸に傷みを覚えずには通れなかった。久しい年月、手塩にかけた旧領下の民である。