후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
味方の声も聞えぬようではその首を持ち帰る途中も危ないと思うたゆえ、気をつけてくれたのじゃ」
「…………」
正直者の虎之助は、二言なく、顔を赧めていた。脇坂甚内も、すでに槍の穂を衂り、敵の一首級は腰にくくっていたのである。
「わかったか、於虎」
「わかった」
「もそっと、場馴れせずばなるまいぞ」
云い捨てて、甚内は、さらに敵勢の馬けむりを追い慕って行った。
虎之助ばかりでなく、この激戦には誰もみな、無我夢中だったといってよい。地形も、谷間や断崖や峰の坂道などで行われ、殊に、小姓組の獅子児たちは、決して初陣ではないが、槍を把って、真の死生一髪の間に、名だたる強敵を求めて、これと一騎打ちに当るなどという晴がましい体験は、まず初めてといえる者が多かったのである。――従って、意気烈しかったが、虎之助のように、誰も彼もが、一番槍一番槍と名乗って、後に秀吉の前でも、云い争いとなった程だ。晩年、加藤清正が、若年時代の体験をその子に物語ったこととして「甲子夜話」にある記載を見ると、
――坂ヲ上ルト、向フニ敵アリ、ソレト行キ合ヒテ闘ヒ始マル。其時ノ胸中ハ、何カ向フハ闇夜ノ如クニテ、一向分ラズ、目ヲ瞑リ、念仏ヲ唱ヘテ、一図ニ飛ビ込ンデ鑓ヲ入レタルニ、何カ手答ヘシタルト覚エシガ、敵ヲ突キ留メタルナリ。