후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 180,256자 · 361화면
(この先? ……)
と考え出すと、さすがに、この細腕と根気がつづくかどうか、彼女の女ごころは、納屋の闇のように、凍えてしまう。
晩の糧に、乏しい粟と、大根の切干しとを、笊に入れて、彼女はやがてそこから出て来た。まだ三十前なのに、日吉を生んでからは、産後が祟って、いつも青い桃のように見える彼女の顔いろだった。
「――おっ母」
日吉の声だ。
「おっ母ア……」
と、家の横を廻って、自分の姿を探しているらしいのである。
彼女は、ニコと笑った。
そうだ!
自分にも一つの光明はある。あの日吉を育てることだ。はやく大きくして、あの気の毒な不具の良人に、一日一合のお酒でも上げられるような良い跡取り息子に仕上げることだ。
彼女はそう思って、急に心も明るくなり、
「日吉やあ。ここだよ。――母はここにおるがのう」
と、大きく答えた。
母の声に、日吉は飛んで来た。そして、笊を抱えた母の肩へぶら下がって、
「おっ母。今日なあ、おっ母の知ってる人に会ったよ、河原で――」
「誰にの」
「お侍だよ。藪山の加藤っていえば、おっ母が知ってるといった。――ああ、それから、達者で暮しているかって、おらの頭を撫でて訊いたよ」