후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 180,256자 · 361화면
奉公一心
しかし、信長の準備は、できていた。彼は毛頭、家臣や骨肉を偽るために、暗愚を装っていたわけではなかった。
父信秀の死後、自分が一国を負って、四隣の敵国へ。
――よし。いつでも。
という構えができるまでの安全弁に、自己の偽装を用いていたのである。敵国を謀るために、自領の中に無数に入り込んでいる密偵を計るために――周囲の肉親をも家臣をも、思い込ませて来たのだった。
が、この間に、信長は人間の表裏と、社会の機微とを、より多く学んだ。彼が年少から名君らしい名君であったら、それは誰も用心して、露骨に示さなかったに違いない。
奉公一心
「猿、すぐ来い」
御小人頭の藤井又右衛門は、あたふた駈けて来て、小屋の内に休息している藤吉郎を呼びたてた。
何事かと、
「は、御用で?」
藤吉郎は、すぐ出て来た。
「お召しじゃ」
「え」
「殿様が、ふいに、其方のことをお訊ねなされて、呼んで来いという仰せ。――何か貴様、お叱りでも受けるような覚えはないのか」
「べつにございませんが」
「ま、早く来い」
又右衛門は、彼を促すと、思いがけない方へ、先に立って行った。
信長はその日、何思ったか、城内の兵糧倉から台所を一巡して、なお、薪倉炭倉などまで、検分して歩いていた。