일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면

아오조라 문고

真紀子は傍から張りのある声で、

「これはあたしがお見立てしたのよ。そんなに云わないでちょうだい。」

と云いながら、またぴんぴんと母の服の裾を下へ引っぱった。

これはおかしいと久慈は思った。自分が眠っているのか眼が醒めているのかよく分らなかったが、起きているのだと思うとそのようにも思われた。すると、下にいた筈の母親が今度は二階から降りて来て、自分を呼んでいるような気持ちもするのだった。どうもそれが夢らしいようにも思われて来ると、

「馬鹿な。お母さんパリにいる筈ないや。」

とこう呟いた。それでも母は洋服の似合ったことを真紀子に賞められ、絶えず嬉しそうにそわそわとしていた。

どれほどたったか分らなかったが久慈はそのうちに眼が醒めた。咽喉がひどく渇いていたので起きて枕もとの電気をつけ、浴室へ水を飲みに立っていった。冷たい水が食道を流れ下る明瞭な重みに急に彼の眠気も醒めて来た。毛布が眠っている真紀子の曲げた膝のままに高まり、小さな黒子のある上唇がかすかに赤く跳ねて灯を受けている。彼はそれを見ていてももう一度その横に眠る気持ちは起らなかった。椅子に腰かけたまま暫くさきほどの母の夢を考えていると、今度は夢とは違い、自分の眼だけ異様にはっきり部屋の中を見ていることが、寒む寒むとした快感に似た安らかな含みに感じられて来るのだっ