후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
にちにちへいあん
日日平安
山本 周五郎
山本 周五郎의 日日平安(にちにちへいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,297자 · 56화면
彼の頭はまだ怒りのためにいっぱいで、他人の事に関心をもつ余地などなかったのである。
「用はなんですか」
「えへん」とその男はまた脇差をひけらかし、それからちょっと媚びた眼で十郎太を見た、「まことに申しかねるが、懐紙をお持ちなら少々お分け下さるまいか」
十郎太は黙ってふところから懐紙を出した。相手はそれを受取ると、礼を云いながら、すばやくその紙で抜身の七三のあたりを巻いた。十郎太はそれでもう用はないと思ったのだろう、そのまま道のほうへ去ろうとした。そこで男はあわてたようすで、うしろからまた呼びとめた。
「その、まことになんですが、その」
「まだなにか用ですか」
「はあ、じつはその」と男は云った、「――ごらんのとおり私は、切腹しようと思うのですが」
「そうですか」と十郎太が云った。
「そうなんです」と男が云った、「――それであれです、じつに恐縮なんですが」
「介錯をしてくれとでもいうんですか」
「そうです、つまり」その男は頷いた、「――もし願えたら介錯をお頼みしたいんですが」
「いいでしょう」
十郎太は戻って来た。その男は十郎太を見た。十郎太は刀を鞘ごと取り、下緒をはずして襷にかけた。