후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃにちざくら
日本の名随筆17 春
河井 寛次郎
河井 寛次郎의 日本の名随筆17 春(しゃにちざくら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,051자 · 9화면
天は渦が舞う、下は雪が降る
牡丹芍薬、百合の花
音もなく舞い狂って降る雪は、見る見るうちに子供達のからだの中にも積って行った。こんな日にはよく蜆売りのお媼さんが来た。背中に大きな叺を背負って、真白になってやって来た。蜆や蜆――とぼとぼとお媼さんは呼び声だけを後に残して、影絵のように雪の中に消えて行った。――蜆貝なんかこの辺の川にはいなかったが、お媼さんは一体何処から来たのであろう。叺の台のような腰の曲ったお媼さんは、こんな日には炬燵にあたってかけつぎのお針でもしていてくれないものかと、子供達はどんなにかたまらなく思ったか知れない。このお媼さんは子供達には、其頃読んでいた文庫本の色々な話とつながっていた。謡曲「鉢の木」の話はその中の一つであった。
西明寺入道北条時頼であった旅僧が、留守居の妻女に一夜の宿を断られて、降りしきる大雪の中に消えて行く――帰って来てこれを聞いたこの家の当主、佐野の落魄した領主、源左衛門常世は、呼びもどそうと後を追うて行く――そして雪の向うに行きなやんでいる旅僧を、声を限りに呼んだあの声――その声がお媼さんの声と一つになって、この昔の話に積った雪がそっくりそのまま今お媼さんに降り、子供達にも降ったのはどうした事であったろう。