후리가나로 읽는 일본 고전
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
森 鴎外의 日本の文学 2 森鴎外(一)(なかじきり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,092자 · 45화면
といいぬ。
口疾きすえの姫もまだなんとも答えぬ間に、「われこそ」といいしは、おもいもかけぬイイダ姫なり。ものおおくいわぬ人の習いとて、にわかに出だししことばとともに、顔さと赤めしが、はや先に立ちていざのうに、われはいぶかりつつもしたがい行きぬ。あとにては姫たちメエルハイムがめぐりに集まりて、「夕餉までにおもしろき話一つ聞かせたまえ」と迫りたりき。
この塔は園に向きたるかたに、くぼみたる階をつくりてそのいただきを平らかにしたれば、階段をのぼりおりする人も、いただきに立ちたる人も下よりあきらかに見ゆべければ、イイダ姫がこともなくみずから案内せんといいしも、深く怪しむに足らず。姫はほとほと走るように塔の上り口にゆきて、こなたをかえりみたれば、われもいそぎて追いつき、段の石をば先に立ちて踏みはじめぬ。ひと足遅れてのぼり来る姫の息せまりて苦しげなれば、あまたたび休みて、ようよう上にいたりて見るに、ここはおもいのほかに広く、めぐりに低き鉄欄干をつくり、中央に大なる切り石一つすえたり。
いまやわれ下界を離れたるこの塔のいただきにて、きのうラアゲウィッツの丘の上よりはるかに初対面せしときより、あやしくもこころを引かれて、いやしき物好きにもあらず、いろなる心にもあらねど、夢に見、うつつにおもう少女と差し向いになりぬ。