후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
山本 周五郎의 日本婦道記(にほんふどうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,170자 · 22화면
一
一
「いやそうではない」新沼靱負はしずかに首を振った、「……おかやに過失があったとか、役に立たぬなどというわけでは決してない、事情さえ許せばいて貰いたいのだ。隠さずに云えばいま出てゆかれてはこちらで困るくらいなのだから」
「それでお暇が出るというのはどういうわけでございましょうか」律義に坐った膝をいっそう固くしながら多助はこう云った、「……あちらで今よく話してみたのですが妹はただ泣くばかりで、悪い処はどのようにも直して御奉公します、お暇だけはどうか勘弁して頂けますように、兄さんからもお詫を申上げて下さい、こう申しまして、どうしても家へは帰らぬと云い張っているのでございます」
「仔細はよく話したのだ、然しまるで聞分けがないので其方に来て貰ったのだが、実はこんど此処をひき払って伊予の松山へ参ることになったのだ」
新沼靱負は会津蒲生家の家臣で、御蔵奉行に属し、食禄二百石あまりで槍刀預という役を勤めていた。亡き父の郷左衛門は偏屈にちかいほど古武士的な人で、善い意味にも余り善くない意味にも多くの逸話を遣しているが、靱負はごく温厚な、まるで父とは反対の性質をもっていた。