후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
島崎 藤村의 旧主人・芽生(きゅうしゅじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,813자 · 302화면
大概の人は甲板(かんぱん)の上に出て、春らしい光と熱とに耽(ふけ)り楽んだ。
しばらく山本さんはお新の側を離れて、煙筒の下だの、ぺンキ塗の窓の横だのを歩き廻った。引返してお新の居る方へ来て見ると、彼女は太い綱なぞの置いてあるところに倚凭(よりかか)って、船から陸(おか)の方を眺めていた。横顔だけすこし見える彼女の後姿は、房々とした髪に掩(おお)われた襟首(えりくび)のあたりから、肩の辺へかけて、女らしい身体の輪廓(りんかく)を見せた。横から見た前髪の形も好かった。彼女の側には、女同志身体を持たせ掛けて、船旅に疲れたらしい眼付をしているものもあった。日をうけながら是方(こちら)を見ている夫婦者もあった。
そのうちにお新は山本さんの腰掛けた方を振向いて、微笑(ほほえ)んで見せた。「実に好い天気ですね」とか、「伊豆の海は好う御座んすね」とかの意味を通わせた。何を見るともなく、彼女は若々しい眼付をした。こうして親切にしてくれる、南清(なんしん)の方までも行った経験の多い、年長(としうえ)な人と一緒に旅することを心から楽しそうにしていた。復た彼女は山本さんの傍に腰掛けて海を眺めた。