후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 158,045자 · 322화면
その蚯蚓の太いのを、小さな亀が食べる。しかも、背中を突ッついても石っころのように堅くねむってでもいたようなのが、餌を見ると猛然と首を伸してかぶりつき、掌を拡げておさえる。大きさからいえばあんぽんたんが大蛇にむかったようなのに、蚯蚓の胴中からは濁った血――液が出てくる。亀の子はお爺さんのような皺だらけな頸をのばし、口は横まで一ぱいに裂け、冷やかな眼をうごかさずによせている。不思議なことに、後年よく見たのだが、その眼が蛇の目とおなじであり、口のかたちも似ている。もしもし亀よ亀さんよの唄を、可愛らしい子供の口からきいても、なんだか亀が陰険でいやだ。
夏の下町の風情は大川から、夕風が上潮と一緒に押上げてくる。洗髪、素足、盆提灯、涼台、桜湯――お邸方や大店の歴々には味えない町つづきの、星空の下での懇親会だ。湯屋より、もちっとのびのびした自由の天地だ。まず各自の家が――家並が後景になって天下の往来が会場だ。その時は、もし、お長屋に警官さんがいても、その人もまたほんとの人間にかえって、胸毛を出して、尻をまくりあげて、渋団扇でバタバタやって来会される。おかみさんの肌抜ぎも咎めなければ、となりのお父さんの褌一つなのも当り前なのだ、真に天真爛漫、更けるほど話ははずむ。